東京都立大公式WEBマガジン
2022.12.07
#都立大の先生(Twitter連動企画)

知識という点の集合をどのように線として結んでいくか。その線をどのように自分の力として育てていけるか。

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東京都立大学公式Twitter(@TMU_PR)上で、#都立大の先生 というハッシュタグをつけて学生広報チームメンバーが都立大の先生を紹介する企画を8月~9月に行いました。本記事はTwitterには掲載しきれなかった先生へのインタビュー内容等をまとめたものです。Twitterの投稿も併せてご覧ください!
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今回取材させていただいたのは、都市環境学部都市基盤環境学科の砂金伸治先生です。都市基盤環境学科には主に「社会基盤分野」「環境システム分野」「安全防災分野」の3コースがあり、私たちに身近なものごとを扱っています。砂金先生はその中でも「安全防災分野」のトンネル工学を専門にしている先生です。そんな砂金先生に行った取材の内容を皆さんにご紹介したいと思います。

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―改めて簡単に自己紹介をお願いします。

都市基盤環境学科の砂金です。出身は宮城県です。変わった名字とよく言われますが、生まれた町では砂金が産出され、奈良の大仏の建立の際に送ったとの言い伝えが残っているようです。

―先生はどのような研究をされているのですか?

専門はトンネル工学になります。トンネル工学は、事業としての観点では調査、計画、設計、施工、維持管理の分野、また、構造としての観点では本体工、付属施設の分野といった様々な切り口があると思いますが、これらを全般的に手掛けています。
例えば、実際の施工の段階でトンネルを掘削した部分を補強するために用いる支保工(しほこう)の特性を解明したり、維持管理の段階で供用されているトンネルや周辺の地山(じやま)が劣化し、構造などが大きく変形を生じた場合の望ましい補強の方法を検討したりしています。

―どうしてその研究を始めようと思ったのですか?その道へ進んだきっかけなどがありましたらお聞かせください。

現在は都立大で教鞭をとっていますが、以前は国土交通省の研究所でトンネルの調査や研究に携わっていました。調査や研究といっても、むしろ、災害や事故が起きた場合に取るべき技術的な対応を考えたり、その対処が終わった後に、発注者として必要な技術的な拠り所はどのようなものかといったことを議論し、実際に基準や要領類を作ったりしていました。その経験を通じて、基本的な知識の蓄積が今後さらに一層望まれていくことを痛感しました。

―今後どのような研究をしていきたいですか?また、どのような研究をすることが必要と考えていますか?

日本は山がちな国土で、複雑な地質における多数のトンネルの施工経験を有し、それを通じて経済的な発展に貢献した経緯もあるため、世界から見て非常に高度な技術を有していると考えられています。しかし、今後は単純に作るだけにとどまらず、例えば安全性確保とコスト縮減の両立をどう図るべきなのか、また維持管理のしやすい構造とはどういうものか、そのために必要な技術とは何かなどと考えを巡らせると、まだまだ分からないことの方が多いと感じています。社会に対してよりわかりやすく説明するためのお手伝いとなりうる研究を心掛けたいと考えています。

―先生は現在、都立大でどのような授業を行っていますか?また、授業で心掛けていることはありますか?

授業では、なるべく点と点とがつながるように気を付けています。例えばある項目を取り上げる時、その背景だけでなく、その項目の先に何があるのかを考えることができるよう心掛けています。例えば、力学の授業であれば、今までに何がわかっていて、今回取り上げる項目が分かれば何ができて、そして、その先で何ができるようになるのかという、点をつなげて線として理解するということです。
また、トンネルの授業であれば、ちょっと知っておくだけで実生活に応用したり身近な知識に置き換えたりすることができる項目があるので、それを実感として得られるように心掛けています。ただ、早口で余計なことを言いすぎて学生が混乱しているのではないかと気になっていますが…。

―フィールドワーク等の授業はどのような感じですか?

実際にトンネルの施工現場を訪問して、通常は近づけない距離で起きている現象を見たり、複雑な構造を目の当たりにして、それがどのようなメカニズムになっているのかを話し合ったりしています。理論的なことも必要かもしれませんが、そもそもどのように感じるか、思うことはなにかといった感性が大切という話もよく学生にしています。

トンネルの施工現場訪問の様子

トンネルの施工現場訪問の様子

―先生の考える都立大の魅力はどこだと思いますか?

都立大はいろいろな意味で「距離感」に恵まれていると感じています。「ひと」という観点で見れば、教員と学生の距離が近いこと、「もの」という観点で見れば、知識を入手できる施設や現場などが手近なところに数多くあるということかと思います。ある意味「手頃なところ」を上手に使えればと考えています。

― 最後になりますが、都市基盤環境学科の学生、もしくは全学生に伝えたいことはありますか?

知識や情報は容易に入手できるようになっていますが、それを使いこなせているのか、また、自ら理解できているのか、振り返ってみると私自身が至らないところが多いと日々反省しています。授業やゼミナールでも、そこで得られる知識や情報といった、ある意味、点の集合をどのような線で結びつけられるのか、その線の配置と太さを自らの力として育てていけるところが大学の良さではないかと思っています。日常の中にたくさんあるはずの「きっかけ」を大切にして、それを結びつけて考えることで、自らの中にどんどん蓄えていって欲しいと思っています。もちろん勉強もしてくださいね。

質問は以上になります。ご回答ありがとうございました。貴重なお話をありがとうございました。

【取材・文:学生広報チーム】
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