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2025.03.05

学生広報チームが留学生にインタビュー!~荒川キャンパスの留学生紹介~

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東京都立大学荒川キャンパスにはアジアからの留学生が多く学んでいるのをご存知でしょうか?
今回はインドネシアからの留学生である人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 作業療法科学域のFajariani Diniさんに学生広報チームがインタビューしました。


学生広報チーム) 日本に来る前はどんなお仕事をされていたのですか?

Diniさん) インドネシアで主に発達障害のあるお子さんを対象に、日常生活での困りごとに向き合う作業療法士として働いていました。2019年4月に都立大の博士前期課程に入学するために来日しました。修了後は一度帰国し、母校であるインドネシア大学で講師をした後、2022年10月に博士後期課程の学生として、また都立大に戻ってきました。

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▲感覚統合療法(遊びを通して色々な体験をすることで子どもの発達をうながすセラピー)で使用する器具とDiniさん


学生広報チーム) 都立大に留学しようと思ったきっかけは何だったのですか?

Diniさん) わたしは10年ほど前にインドネシア大学にあるVocational schoolという職業専門課程を卒業しました。その後、勉強を続けたいと思っていたのですが当時インドネシアでは作業療法の学士号をとることができず、他の国で取得する場合でも4年間勉強し直す必要があることがわかり、諦めかけていました。そんな時、2018年に都立大大学院の作業療法科学域の先生方がインドネシアにいらっしゃって、都立大大学院の作業療法科学域には学士号を持っていなくても申し込むことができる奨学金付きのプログラムがあり修士号も取ることができるということを教えてくださったので、申し込むことにしました。


学生広報チーム) 現在はどのような研究をされているのですか?

Diniさん) 現在は、書字(文字を書くこと)の早期介入について重点的に取り組んでいます。これは私の臨床経験からきていて、私が働いていたクリニックでは多くの子どもが字を書くことに課題があったので、書字に重点を置いて研究しています。博士前期課程からこの研究を始めて、字を書くときに使う補助具の開発などもしていました。今後は、自助具に関するプロジェクトに挑戦する予定です。



学生広報チーム) ここからは少し質問が変わるのですが、普段、日本人学生とはどのような交流がありますか?

Diniさん) コロナ禍前の大学院の授業はすべて対面で行われていたので、博士前期課程の時には日本人の学生との交流が多くありました。その時には授業や課題に関して色々話したり、外で一緒に夜ご飯を食べに行ったりもしました。でも今は、オンライン授業も増えたので交流する機会は減ってしまいましたね。


学生広報チーム) Diniさんにとって日本の学生のイメージはどんなものでしたか?

Diniさん) 最初は日本の学生は真面目すぎて冗談も言い合えないのではないかと思っていました。しかし、何回か会ううちに皆そこまで真面目すぎないことがわかって冗談も言い合えるようになりました。


学生広報チーム) 日本人学生と交流していて、嬉しいと感じること、難しいと感じることは何ですか?

Diniさん) おすすめの飲食店を教えてくれることが嬉しいです。私たちがインターネットで調べて出てくるお店は一般的に有名なお店ばかりですが、友達に聞くと有名ではないけれどおいしいお店を知ることができます。また、日本語を教えてくれることも嬉しいです。
難しいことはやはり言葉の問題だと思います。最初のうちは日本語がよくわからなかったので、日本人の友達と話すときに日本語でどう言えばいいのかわからないことが多かったです。しかし英語で話すと相手に伝わらないことがあるので、お互いに辞書を引いて、「言いたいことはこういうことなんだよ」といったことを、よくやっていました。


学生広報チーム) 普段日本人の学生とは日本語で話しているのですか?

Diniさん) 基本はそうですね。でも英語を勉強したいと言っている友達とは、友達は英語で話して私は日本語で答えるという形でお互いに教え合っていました。

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▲インタビュー中のDiniさん


学生広報チーム) すごく良い関係ですね。都立大に来てよかったと思うことはなんですか?

Diniさん) 前の大学では作業療法の授業で使える教材などが多くなかったので、もっと深く学びたいと思っても、情報を集めることが難しい時がありました。でも、都立大は図書館にもたくさん作業療法についての本や電子書籍があるのでそれに驚きました。インドネシア大学にいた時は、先生と学生の間に距離を感じていたので、先生に質問するのを少し躊躇してしまうこともありました。でも都立大の先生には、私が不安に思っていることや困っていることなどについて気兼ねなく聞くことができて、それがとても嬉しいです。先生はどんなに基礎的な質問であっても必ず答えてくださいますし、私が質問しているトピックに関連した論文や本を紹介してくださることもあります。



学生広報チーム) 最後に、今後の抱負を聞かせてください。

Diniさん) 将来的には、博士後期課程を修了したら、博士研究員になるか、別の分野を勉強したいと思っています。都立大か、ほかの場所になるかはわかりませんが、もっとほかのことを勉強したいのでインドネシアに戻る道のりはまだまだ長いかもしれません。

学生広報チーム) ありがとうございました。



【取材・文:健康福祉学部 作業療法学科 大西里奈(学生広報チーム)】

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