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2024.12.24

学生広報チームが人文社会学部の学生にインタビュー! 〜人文学科 歴史学・考古学教室編〜

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学部1年次は基礎教養科目を幅広く学び、学部2年次から人間社会学科は7教室、人文学科は8教室の合計15の教室に分かれ、専門分野の知識を修得するのが特徴的な人文社会学部。
今回は、人文学科 歴史学・考古学教室に所属する細谷さん(4年次)に、学生広報チームがインタビューしました!

「歴史学」と「考古学」の教室


学生広報チーム) まずはじめに、教室選択のことについて聞いていきたいと思います。細谷さんが教室選択をされる際に迷いはありましたか?

細谷さん) 歴史学を大学で勉強したくて入学したので、特に迷いはしませんでした。

学生広報チーム) 歴史学・考古学教室は教室名にあるとおり「歴史学」と「考古学」を扱う教室だと聞いています。細谷さんは「歴史学」を専門とされていると思うのですが、そんな細谷さんから見て「歴史学」と「考古学」にはどのような違いがありますか?

細谷さん) 遺跡や土器片など文字以外の物的証拠を用い、文字のない時代を担当するのが考古学です。貝塚に発掘に行く等、フィールドワークの側面が強い印象があります。もちろん文字が生まれた有史時代の研究でも考古学が用いられることはあります。
一方、文献資料が盛んになってくる時代以降を担当するのが歴史学、文献史学だと思っています。

学生広報チーム) 歴史学を選ぶ人と考古学を選ぶ人との間で交流はあるのでしょうか。

細谷さん) もちろんあります!私も考古学の授業は受けますし、考古学を専門に選ぶ人でも歴史学に興味があって授業を受ける人もいます。

学生広報チーム) 学問分野として2つに分かれているのであって、教室に入ってからも、自由に両分野の授業を受けられるのですね。



学生広報チーム) 今まで履修した中で印象に残っている授業について教えてください。

細谷さん) 2年次に受けた「考古学実習」です。
この授業では、土器片などを紙に実物大で書き写す「実測」を行いました。縄文時代に使われた黒曜石のナイフや縄文土器を、レプリカではなく発掘された実物をそのまま扱うことができたのがとても楽しかったです。

卒業論文


学生広報チーム) 現在は学部4年次ということで、卒論研究を進めていらっしゃると思います。どのようなテーマで進めているのでしょうか。

細谷さん) 「元首政ローマにおけるティベリウス帝治世再考」をテーマとして進めています。
元老院と民会、政務官が政治を治める時代を指す「共和政」から1人の皇帝が主導する政治体制を指す「帝政」に移行した過程や要因、影響などを考えていきたいと思っています。私が卒論で取り上げたいなと思ったのは、帝政ローマ2代目のティベリウスという皇帝です。

学生広報チーム) そのテーマにしようと思ったきっかけを教えてください。

細谷さん) 「独裁を嫌うはずの共和政ローマからなぜカエサルといった皇帝が出て来たのか」という疑問を高校生のころから抱いていました。

学生広報チーム) なるほど!高校生のころの疑問に今研究として向き合っているということなのですね。

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▲「世界史の疑問を温めていた」と語る細谷さん

教員と「お昼を食べる」仲


学生広報チーム) 実際に歴史学・考古学教室に入ってみて、先生方はどのような方が多いですか。

細谷さん) 気さくに話してくださる先生が多いですね。考古学の分野ではフィールドワークで外に出掛ける機会があります。そのような場で先生とお昼を一緒に食べることもあって、いろいろなお話をさせてもらえます。

学生広報チーム) 授業の雰囲気はどうですか。

細谷さん) 大人しい学生が多いので落ち着いて勉強できる環境ですね。

学生広報チーム) 歴史は好きだけど授業やゼミについていけるか心配だという学生もいるかと思うのですが、いかがですか?

細谷さん) 教室の必修になっている「歴史学概論」と「歴史学方法論」という授業があり、その中で歴史学の文献を調べる方法や歴史学とは何か、といったことを一から学べるので、必修の授業をきちんと受けていれば自然と知識は身に付きます。

学生広報チーム) 歴史学の授業というものを想像するのが難しい学生も多い気がします。

細谷さん) 端的に言えば、基本的に先行研究に自分の考えを加えていく作業ですね。新たな歴史的事実を見つけたり一から意見を考えたりするのではなく、先行研究について、対立する意見の論文を読んで指摘することを行います。

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▲細谷さんが購読した本の数々。こうした読書の積み重ねが演習の際のベースとなるそう。

体を動かしたい人にもオススメ!?


学生広報チーム) 歴史学・考古学教室をどのような人にオススメしたいですか。

細谷さん) 大河ドラマや城巡りが好きな人、歴史が好きな人にはもちろんオススメします。歴史学自体はとっつきやすい学問なのかなと思うので、中学高校で歴史を習ったことがある人なら、知識が入りやすい面があると思いますね。
また、考古学は、夏に遺跡の発掘調査のフィールドワークに行くこともあるので、体を動かしてフィールドワークしてみたい!という方にもオススメなのかな、と思いますね。

学生広報チーム) 細谷さんの経験に基づくお話を聞くことができました!ありがとうございました!



細谷さんの学部2年次の時間割

※時間割は2022年度のものです。現在は授業名称や開講時間が変更されている場合や開講されていない場合があります。最新の情報はシラバスで確認してください。

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★「西洋史学演習Ⅰ」は古代ローマ史を扱うゼミでした。ディスカッション形式で密度の濃い授業を受けられます。
★「考古学実習Ⅰ」は石器や土器の現物を使用し、実測図をつくりました。
★「博物館経営論」では、外部講師として実際に博物館で働いている方から博物館の運営について教わりました。

【取材・文:人文社会学部 人間社会学科 井上 雄哉(学生広報チーム)】

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