学生広報チームが人文社会学部の学生にインタビュー! 〜人間社会学科 言語科学教室編〜
学部1年次は基礎教養科目を幅広く学び、学部2年次から人間社会学科は7教室、人文学科は8教室の合計15の教室に分かれ、専門分野の知識を修得するのが特徴的な人文社会学部。
今回は、人間社会学科 言語科学教室に所属する近藤千歩さん(4年次)に、学生広報チームがインタビューしました!
言語科学教室とは
学生広報チーム) 言語科学教室について簡単に教えてください。
近藤さん) 人が生まれたときから言語機能を持っているという前提で、そのことばの言語機能を明らかにすることが言語科学の大きな目的です。生物的基盤である脳と、理論言語学(ことばのしくみ)の2つの観点から様々な問題に取り組んでいます。例えば、赤ちゃんがことばを獲得する方法やことばを処理する際の脳の活動などを研究します。
教室の魅力
学生広報チーム) 実際に言語科学教室に入ってみてどうでしたか?
近藤さん) 1学年あたり7、8人と少人数制で、カリキュラム的に積み上げ式というか、2年次で基礎をやって3年次で発展、4年次で卒論という流れになっているので同学年のつながりが強い印象です。
学生広報チーム) テストとレポートどちらが多い印象ですか?
近藤さん) 2年次の内は基礎を学ぶ授業が多いので、知識を問われるようなテストが多かったです。一方で3年次になると英語の論文を読むことが多く、その論文に関しての発表やレポートを書くことが主になってきます。
研究内容
学生広報チーム) 現在はどのような研究をしているのですか?
近藤さん) 現在は卒業論文に向けて、「日本語における単語転置効果」というテーマで行動実験を行い、人の文処理の方法を研究しています。単語転置効果とは、文法的な文章の単語を入れ替えてつくった非文法的な文の誤りに気付きにくい現象のことで、人が文章を並列処理している根拠とされています。
学生広報チーム) 並列処理とは何でしょうか?
近藤さん) 言語科学には人が文章を読む際、単語を直列的に処理しているのか、並列的に処理しているのか、という議論があります。単語を一つ一つ順番に処理する直列処理に対して、並列処理は単語をかたまりに分けて複数の単語を同時に処理することを指します。(下記参照)
直列処理
言語科学教室の進路
学生広報チーム) 言語科学教室の学生はどのような進路に進まれますか?
近藤さん) 言語科学教室では、就職する人が大半だと思います。ただ他教室に比べて大学院に進学する人が少し多いかもしれません。私自身は話すことや聴くことに不自由のある方の言語能力を回復させる仕事をする言語聴覚士になりたいと考えていて、都立大では残念ながら言語聴覚士の資格が取れないので他大の大学院への進学を考えています。
また、実験などで用いる統計ソフトが使えるようになるので、文系からSE(システムエンジニア)に進む人もいます。
1年次の学生に向けてメッセージ
学生広報チーム) 最後に、教室選択をする1年次の学生に向けてメッセージをお願いします!
近藤さん) 私は、文理融合的な学びができるというところに言語科学教室の魅力を感じていて、そういった学びをしたい方やことばに興味がある方に向いている教室だと思います。理系教科が苦手でも、全員ゼロからのスタートで統計や実験をしていくので心配する必要はないです!行きたい教室があれば、倍率などを考えず、まずは自分の興味関心で第1志望を考えてもらえればな、と思います。
学生広報チーム) 近藤さん、ありがとうございました。言語科学教室について様々なことを知ることができて良かったです!
近藤さんの学部2年次の時間割
※時間割は2022年度のものです。現在は授業名称や開講時間が変更されている場合や開講されていない場合があります。最新の情報はシラバスで確認してください。
★「認知神経科学」は必修科目でことばと脳の関係を考えるために必要な脳神経系の基礎を学びます。
★水曜3限の「言語科学特殊講義」は脳波計測実習がある授業で、受講生同士で脳波を計測して解析を行います。
★「言語科学概論」は人が生まれながらに普遍的な文法知識を持つとする、生成文法理論について学びます。
【取材・文:人文社会学部 人文学科 竹野 沙耶(学生広報チーム)】