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2023.10.31

学生広報チームが密着!高大連携室〜河西先生にインタビュー編〜

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2018年度から高大連携室の室長を務め、高校と大学の学びの連携の大切さを伝えたいという思いで活動している河西奈保子先生に、学生広報チームがインタビュー!

 

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高校での経験は大学生活につながる。高大連携に対する思い

学生広報チーム)高大連携室では、どのような思いで活動をしているのですか?
河西先生)高校での学びや経験は大学での活動につながっていることを伝えたい、という思いで活動をしています。実際、都立大生と話していると、高校でいろいろなことに積極的に取り組んできた人が多く、大学でも有意義な大学生活を送っていると感じることが多いです。
学生広報チーム)私自身も、高校で頑張ったことが大学でも活きていると感じることが多々あります。
高校と大学で連携した活動としては、どのようなものがありますか?
河西先生)最近は、大学の先生が高校生と共に研究をすることもあります。また、高校生自ら問いを設定し、情報の収集や整理・分析をして発表する探究学習 という授業の一環として、高校生が大学の研究室に見学に来ることもあります。このように、ただ大学を紹介したり、進路相談に応じたりするだけではなく、高校と大学が共同で研究するという意味での高大連携も進みつつあります。
学生広報チーム)私も高校生のときに探究学習を経験しましたが、普段の学びとは大きく異なるので、戸惑った経験があります。
河西先生)そうですよね。探究学習を指導する側である高校の先生方もかなり大変だと思います。だからこそ、大学側としては、うまく軌道に乗せられるように高校生や高校の先生を支援することが大事だと感じています。現在は、高校に大学院生スタッフ を派遣して教室を周回しながらアドバイスをしたり、高校生が自分の探究学習について大学に相談できる機会を設けたりしています。

きっかけは、日本の学生の学びに対する違和感

学生広報チーム)高大連携室で活動を始めるきっかけは何だったのでしょうか?
河西先生)もともと企業で働いており、日本人や外国人の実習生を指導する機会があったのですが、日本人学生の学びに違和感を覚えたのがきっかけでした。外国人学生は、知識を活用してどんどんアイデアが出てくることが多かったです。一方で日本人学生は、知識の量は多いけれど、その知識を研究に活用することが少なく、知識獲得と研究が切り離されてしまっていると感じました。そこで、高校と大学の学びの連携の重要性を実感し、高大連携室での勤務を希望しました。
学生広報チーム)たしかに、高校での学びは大学受験のためのもので、高校と大学の学びは別物として捉えられることが多いですよね。
河西先生ご自身は、どのような研究をしているのですか?
河西先生)応用化学という分野で研究をしています。様々なツールを活用して、細胞の分析をしています。
学生広報チーム)高校生に向けて、ご自身の研究について話す機会もあるのですか?
河西先生)そのような機会はあまりないですね。というのも、大学の先生の研究内容を知ってもらうことよりも、高校で学んでいることが大学の学びにどのようにつながるのか、なぜその研究の道を選んだのか、の部分の方が高校生にとっては重要だと思うからです。だからこそ、高校での学びも大学での研究も理解している院生スタッフに高大連携室で活動をしてもらっています。
学生広報チーム)高校生の視点と研究者の視点、両方から考えられる院生スタッフは貴重な存在なのですね!

失敗を恐れずチャレンジすることの意義

学生広報チーム)河西先生が考える都立大生の良さはどのようなところですか?
河西先生)とても真面目ですが、勉強以外の活動もバランス良くできるところです。高校時代は、部活動や委員会活動などでも忙しく過ごす中でうまく勉強して、都立大に入学したのだろうなと感じます。
学生広報チーム)河西先生にとって、高校時代に様々なことにチャレンジすることの良さはどのような点にあるのでしょうか?
河西先生)ありきたりな答えかもしれませんが、いろいろチャレンジすることで、結果はどうであれ、得るものがたくさんある点だと思います。頭の中だけで自分にとってベストなことを考えようとしても、実際に行動してみないとわからないですよね。
先日、新聞を読んでいたら、失敗には2種類あると書いてありました。悪い失敗は、計算ミスのような自分の注意不足によって起こる失敗。良い失敗は、自分で考えてやってみたもののうまくいかなくて起こる失敗です。良い失敗から次のステップが生まれるので、良い失敗は恐れないでほしいです。
学生広報チーム)私自身、現在就職活動中で、過去のことを振り返る機会が多いのですが、チャレンジしないと気付くことができなかったことや、得られなかったことは本当にたくさんあるなと感じます。
河西先生)そうなのですね。大人になると、チャレンジできる機会がだんだん少なくなるように思います。高校生や学生の皆さんには、今のうちに自分なりの目的を持ってどんどんチャレンジしてほしいです。

大学での学びがすべてではない。これから進路選択をする高校生へ

学生広報チーム)最後に、これから進路を選択していく高校生に向けて、メッセージをお願いします!
河西先生)やはり、自分で決めることを大事にしてほしいです。そして、この大学に入学しなかったら一生ダメだ、と考える必要は絶対にないということも知ってもらいたいです。これからの時代は、大学を卒業してからも学び続けなければならない状況になってくると思うので、大学での学びが全てではないですよね。
学生広報チーム)人生を通して学ぶ過程の一つとして、大学を自分で選ぶことが大切ですね。
ありがとうございました!

高大連携室では、都立大での研究や教育などの様々な情報を提供するだけではなく、大学選び、学部学科選び、大学進学へ向けての心構え、高校での勉強法などをサポートしています。「都立大生や教員に進路相談をしたい!」「都立大に興味がある!」という方は、ぜひ高大連携室を活用してみてくださいね!

東京都立大学アドミッション・センター高大連携室の情報はこちら
https://koudairenkei.fpark.tmu.ac.jp/index.html


次回の密着取材レポートもお楽しみに!

【取材・文:人文社会学部人間社会学科 綾桜子(学生広報チーム)】

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