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2023.08.04

自分の言葉で伝える 〜業界研究セミナー2023マスコミ業界・仕事理解講座<NHK編・特別版>〜

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2023年6月23日(金)、東京都立大学管理部キャリア支援課主催の「業界研究セミナー2023マスコミ業界・仕事理解講座<NHK編・特別版>」が開催された。公共メディアNHKに就職し、最前線で活躍する都立大OB2名が講師に招かれ、現在の業務や就職活動の経験を都立大の後輩に向けて語った。

 

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デジタル戦略強化が急務となっている放送業界。競合が多い業界において、公共メディアNHKにしかない価値を生み出すために、挑戦の日々を送るOBの姿が印象的だった。

記者の武田善宏さん(首都大学東京 都市教養学部 都市教養学科 法学系 2009卒)は、テレビ記者ならではの醍醐味として、現場で見聞きしたリアルな情報をそのまま伝えられることを挙げた。取材の成果をいかに深く掘り下げ、他局と差別化できるかを意識しているそうだ。また、マネジメント業務を担当する松永譲さん(同 2011卒)は、番組編成や経理の仕事の他、地域活性化のためのイベント運営やコンテンツ制作も行っている。テレビ番組制作に留まらない仕事の幅広さを実感した。

セミナーでは、参加学生から寄せられた就職活動に関する質問にOBが答える時間も設けられた。OBが口を揃えて強調していたのは、“自分の言葉で伝える”ということだ。就職活動をしていると、他人を自分と比べてしまいがちだが、独自の視点や切り口、自分の強みを大切に、自信を持って自分の言葉で伝えたいことを表現することで、採用担当者に自分だけの魅力を知ってもらえる。華々しい経験を他人から借りた言葉で話す必要はないのだ。自分が頑張ってきた経験を自分の言葉で話すことの重要性は、現場で見聞きしたことや感じたことを自分の言葉で視聴者に伝えるテレビ記者や番組制作の仕事にも共通して言えることだろう。放送業界で働くOBからの力強いメッセージは、これから就職活動を頑張る都立大生の原動力になったのではないか。


講演終了後、NHK職員の清(せい)さん(首都圏局経営管理センター・人事)、金澤さん(首都圏局視聴者リレーションセンター)にお話を伺った。

ーOBの話を聞いていて、マスコミ業界といっても、テレビ番組制作に留まらない様々な仕事があるのだなと感じました。清さんは現在の人事管理のお仕事をされる前は記者として活躍しておられたとのことですが、自分の言葉で伝えることに対して大変だと感じた経験はありましたか?

清さん)もちろん、自分で最初に原稿を書くときはうまく伝えられないこともありましたが、1人で仕事をするわけではなくチームで番組を作っていくので、安心感がありました。NHKはチームで仕事をすることを大事にしているため、1つの番組制作でもそれぞれがいろいろな角度から取り組み、お互いに補い合いながら仕事を進めていっています。


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▲インタビューの様子 清さん(左)


ーチームで協力できる環境は、働く上でとても大切なことですよね。
金澤さんは、現在は視聴者リレーションセンターで働いておられるとのことですが、具体的にどのようなお仕事をしているのですか?

金澤さん)視聴者の皆さんからのお問い合わせ対応や、公共放送の価値を伝えるための仕事をしています。私は多摩地域の担当をしているのですが、多摩地域は23区と比べてファミリー層が多いので、ファミリー層向けの情報を伝えられるように意識しています。地域ごとにニーズは少しずつ異なるのですが、視聴者の皆さんとの関わりの中で気付くことができます。


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▲インタビューの様子 金澤さん(右)


ーかなり地域に近い部分でお仕事をされているのですね。
金澤さんは、3年前に就職活動を経験されたとのことですが、就職活動において最も大変だと感じたことは何でしたか?

金澤さん)自分に合っている業界を探すことに苦労しました。就職活動は人の数だけやり方があるので、いろいろな業界を見ているうちに、本当にこれが自分に合っているのか?と不安になることが多いですよね。


ーいろいろ悩んだ上でNHKに就職した決め手は何だったのでしょうか?

金澤さん)NHKのインターンシップに参加して、多くの場合見逃してしまうような世間の小さなニーズを拾い上げ、手を差し伸べているNHKの姿を知り、社会のためになる活動ができそうだと感じたからです。

ーたしかに、NHKの番組は身近な感覚がありますよね。
就職活動中のセミナー参加者から、業界ごとにアピールポイントを変えるべきなのかわからないという不安の声があったのですが、お二人はどのようにお考えですか?

清さん)どの業界においても、浅いアピールポイントをいくつも増やすよりも、確固たるアピールポイントを一つ持つことが大事だと思います。アピールポイントは、その人の人となりを知るためのものです。採用担当者は、その人がどのような努力をしてきたのか?どのような困難を乗り越えてきたのか?という経験談を通して、人となりを知ることで、一緒に働きたいと思えるか判断します。

金澤さん)その人の強みに良い悪いはありません。自分の確固たるアピールポイントを伝えることで、こんなに頑張ることができる人なのだ、誰かを助けることができる人なのだ、ということを知ってもらえれば良いと思います。


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ーOBのお話でもあったように、自分が頑張ってきたことを飾らない姿で自分の言葉で伝えることが大事ですね。私も就職活動を頑張ります!
本日は貴重なお話ありがとうございました!


●参考:NHK就活応援サイト「NHK大学生とつくる就活ニュース応援ゼミ」 https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/?cid=shutohk-syukatsu-evqc

★東京都立大学キャリア支援課について

東京都立大学キャリア支援課は、就活のお手伝いをする、というだけではなく、将来の進路を考える際などに学年を問わず気軽に相談できる場です。今回のような就職活動についての講演だけでなく、個別でのキャリア相談や、各種ガイダンスの実施、OBOG訪問の仲介など、私たちのキャリアデザインをサポートしてくれる存在です。自分のキャリアについて楽しく考えるために、やりたいことがあってもなくても、困ったとき、何か話をしたいとき、ぜひキャリア支援課に足を運んでみてくださいね!
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【取材・文:人文社会学部人間社会学科 綾桜子(学生広報チーム)】

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