東京都立大公式WEBマガジン
2022.11.18
#都立大の先生(Twitter連動企画)

市民同士を繋ぎ、自分事(ジブンゴト)として問題と向き合う

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東京都立大学公式Twitter(@TMU_PR)上で、#都立大の先生 というハッシュタグをつけて学生広報チームメンバーが都立大の先生を紹介する企画を8月~9月に行いました。本記事はTwitterには掲載しきれなかった先生へのインタビュー内容等をまとめたものです。Twitterの投稿も併せてご覧ください!
★Twitterの投稿はこちら

今回の#都立大の先生では、人文社会学部人間社会学科の江頭晃子(えとうあきこ)先生(非常勤講師)にインタビューを行いました!江頭先生は、本学で、人間社会学科教育学教室の専門教育科目「市民社会と社会教育」の授業を担当されています。

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-江頭さんは、本学非常勤講師ということですが、普段はどのような活動をされているのですか?

NPOの事務局職員として、東京都多摩地域の市民活動支援の仕事を行っています。様々な活動をしている市民団体の情報を取り上げて他の市民に発信したり、各市民団体のNPO法人立ち上げを手伝っています。他にも通信発行の手伝いや、市民活動資料室「市民アーカイブ多摩」の運営なども行っています。

-市民同士のつながりをつくるための手助けをしておられるのですね。具体的にはどのように情報を発信するのですか?

「市民活動のひろば」という市民活動情報誌を発行しています。2002年に創刊し、年10回発行しています。毎号、テーマを決めて、そのテーマに関する市民活動をしている市民団体の方に取材を行ったり、記事を書いてもらったりしたものを集約して掲載するほか、市内の催し物に関する情報の発信も行っています。

市民活動情報誌「市民活動のひろば」第200号の表紙

市民活動情報誌「市民活動のひろば」第200号の表紙

-発行開始から20年も経つのですね…!市民同士をつなげる活動にやりがいを感じるのはどのようなときですか?

女性や子ども・障がい者や高齢者などの生きづらさ、環境・公害や医療、教育、平和、食など、様々な社会問題がありますが、当事者、非当事者関係なくそれらの問題と出会い、解決に向けて活動をしている人がいます。『市民活動のひろば』では、多様なテーマを設定していますが、毎回必ず、そのテーマの社会問題に取り組もうとしている人たちがいることに元気をもらっていますね。市民の皆さんとつながることで、「今これが問題なのか」とこちらが気付かされることもあります。 テレビや新聞などのマスコミは情報が一方向にしか流れませんが、私たちが取り組む小さな地域での情報発信、いわゆる“ミニコミ”には双方向性があるのです。

-お話を聞いていると、双方向の情報発信であるからこそ、小さなつながりが大きく広がっていくことがわかりますね。

双方向だからこそ、別の視点を提示してくれます。市民団体は、一方向に多数が動いているときに、違う見方を提示する役割も果たしてくれると思っています。

-今年度の前期に、江頭さんが開講されている「市民社会と社会教育」の授業を受講しました!授業では、教育とは何か?学習とは何か?また、今の時代にあった公民館とはどのようなものか?などのテーマについて、受講者同士で考える機会が多く「自分事」として問題に向き合うことができる感覚がありました。この授業を開講するにあたって、江頭さんはどのようなことを心掛けているのでしょうか?

学校教育を受けてきた学生にとって、教育は「受けるもの」という感覚がしみ込んでいると思います。でも、皆さんは、学習者であると同時に教育者として誰かの力を引き出すことができるのです。一人ひとりが自分や誰かの問題を解決できる主体でもあるということを伝えたいと思っています。だから、できるだけ「自分事」として問題を捉えてもらうために、「自分だったらどのようなものがいいか?」とみんなで考えられるような雰囲気づくりを意識しています。

-こんな教育制度があったらいいよね、こんな公民館だったら通いたいなどと受講者同士の壁を越えて意見を出し合った時間は、深く印象に残っています…。 最後に、江頭さんが考える都立大の魅力を教えてください!

先生と学生のフラットなつながりを感じられるところですね。特に、人文社会学部 人間社会学科 教育学教室では、先生のことを「○○先生」ではなく、「○○さん」と呼びますよね。先生と学生という上下の関係がなく、対等な立場で意見を交わせているところに魅力を感じます!

私が所属する教育学教室では、他にも「三者懇」という先生・大学院生・学部生の三者が集まって、設備やカリキュラムについて意見を交わす場が用意されており、フラットな関係が構築できるよう工夫されていると感じます。あらゆる社会問題に取り組むためには、まず、対等な立場で意見を交わし、それぞれが自分事として考えられるような環境をつくることが大事だと感じました。
ありがとうございました!

【取材・文:人文社会学部 人間社会学科 教育学教室 2年 綾桜子(学生広報チーム)】
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