東京都立大学ローカル5G環境活用実証フィールド提供事業 VR/ARを活用した未来型コミュニケーションの実証実験
2021年12月14日(火)、15日(水)に、東京都立大学ローカル5G環境活用実証フィールド提供事業の「VR/ARを活用した未来型コミュニケーション」の実証実験が実施されました。都立大の学生及び教職員向けに行われた、バーチャルキャンパスマップ、リアルタイムVR配信が体験できるこのイベントに学生広報チームが参加しました。体験の様子をレポートします!
バーチャルキャンパスマップの体験
体験用のiPadを使って体験しました。
アプリを立ち上げると立体的なARキャンパスマップが表示され、マップ上の気になる場所をタップすることで動画などが見られました。体験できるコンテンツは、学生広報チームが制作したキャンパス紹介動画(YouTube「都立大Channel」にて公開中や360°カメラで撮影された各キャンパスの様子が視聴できる映像で、受験生がオープンキャンパスの際に楽しめそうなものから、ARキャンパスマップ上で投影される学長挨拶など、盛りだくさんな内容でした。
▲ ARマップ上で投影される学長挨拶(イメージ画像)
学長が自分のすぐ目の前で挨拶されているかのような体験ができます。
来場者のアンケートでは、「画質がとてもよく、空気感が伝わった。オープンキャンパス等で活用できそう。」「キャンパス全体の写真がARで立体的に映っていて、平面の地図を見るよりも面白かった。」など楽しめたという感想から、「地図を3Dで見ることができてよかった。車いす利用者にとって役に立ちそう。」といった新しい活用の可能性を示唆するものまで、多くの前向きな意見が寄せられました。
リアルタイムVR配信の体験
南大沢キャンパス11号館の体験ブースで行われました。講堂小ホールの様子を360°カメラで撮影・配信し、講堂から少し離れた11号館で、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)を装着し、リアルタイムで視聴する、というものでした。体験に使用するイヤホンは使い捨てで、VRゴーグル用のフェイスマスク(通称:ニンジャマスク)が用意されているなど、コロナ感染症対策も万全でした。
初めは、若干画質が良くないかな、首が疲れそうと思ったものの、慣れてくると従来のWeb会議での授業より集中して講演を聞けそうだと感じるようになりました。
来場者のアンケートでは、「臨場感はあるが、スライド等の文字が読みにくかった」「VRを見る機器が重く、長時間見られないと感じた」「手元のスマホが見えない」「画像の精度や音声のクリアさなどが上がっていくと、よりリアリティが上がっていくと思う」「周りの音や人影などが気にならず、内容に集中することができた」といった意見がありました。ヘッドセットの使用に関する課題が挙げられたものの、取組を面白いと感じ、今後の展開に期待する声が多かったようです。
▲ 筆者も体験しました。少し重さを感じるものの、手で支えれば問題なく使えます。
イベント2日目には、筆者も登壇者として配信側を体験しました。聴講者の反応を見ることができないため、配信に問題がないか少し不安になりましたが、反対に、人前で緊張する人にとっては話しやすいと感じるかもしれません。他の登壇者からは「高速回線だからこそ期待されるインタラクティブ性がなく、配信者側にとってはリアルタイム配信の良さは感じられなかった」といった厳しい声もある一方、「5GやVRに興味が湧いた」「単純に、真新しい方法が面白いなと思った」など、今後の展開に期待する意見が多かったです。
▲ 学生広報チーム講演時の様子。聴講者がいない状況に戸惑いつつも、
新しい講演のスタイルを楽しみました。手前の黒いボールが360°カメラです。
イベントを終えて...
個人的にバーチャルキャンパスマップもリアルタイムVR配信も面白いと思うものの、大学では珍しい取り組みだと思いますので、実は参加者が集まるか少々不安でした。しかし、当日は大変多くの方に楽しんで頂けたようで良かったです。もちろん改善の要望など色々な感想はありましたが、実用化に向けた課題も具体的に見えたこと、そしてイベントを通じて新しい技術への興味を持たせることができたことは、実験として大きな成果だったのではないでしょうか。今後もバーチャルキャンパスマップは一般の方も体験できるような形で公開されるそうです。都立大の国内最大規模のローカル5Gを使った取組に期待が高まります。
※コロナウイルス感染拡大に伴い、紹介されている活動の内容等は変更となっている場合があります。
【取材・文:観光科学科 山岸玲司(学生広報チーム)】