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2022.03.25
※2022年3月以前に都立大HP「People都立大人」に掲載された記事のアーカイブ記事です。

祝!鳥人間コンテスト2021 人力プロペラ機部門優勝! 5年分の挑戦が成し遂げた悲願の勝利

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【2021年9月2日掲載記事】
ー2021課外活動団体紹介①(鳥人間部 T-MIT)ー
「東京都立大学 鳥人間部 T-MIT」は、人力飛行機の飛距離を競う読売テレビの特番、「鳥人間コンテスト2021」の人力プロペラ機部門で見事優勝した。
その舞台裏を伺うべく、代表の小幡さん、パイロットの前川さん、空力設計の岡崎さん、次期代表の宮原さん (全員: システムデザイン学部 航空宇宙システム工学科)にオンラインでインタビューを行った。

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―この度は優勝、本当におめでとうございます!今の気持ちを教えてください

小幡さん)  T-MITは5250mという記録で優勝という結果となりました。T-MITは4年間大会で飛べておらず (2017年:書類選考落選 / 2018年:台風のため大会中止 / 2019年:台風のため飛行できず / 2020年:コロナウィルスのためで大会不開催)、自分が1年生のときも2年生のときも悔しい思いをしたため、(引退の年である)3年生で最高の結果を残すことができて本当に嬉しいです。

岡崎さん) プラットホームから飛び出した瞬間は現実味がありませんでした。チームとして本当に大きな一歩だったからです。定常飛行に移り、着水するまでは、パイロットへの操縦指示に集中していて感動する暇もありませんでした。すぐに暫定優勝となり展開が早すぎて実感が持てませんでしたが、徐々に頭が整理できてきて感動がこみ上げてきました。とても嬉しいです。

―昨年度のインタビューで、今年度のプロジェクトの特徴が新開発の”ARグラス”とおっしゃっていましたが、どう活用されたのでしょうか?

前川さん) 操縦中、意識しなくても自然と視界に情報が入ってきて非常に便利に活用することができました。機体を遮光フィルムで覆って直射日光下での視認性をあげる等いくつもの工夫をしていたのでとても見やすかったです。飛行中は主に高度と出力の値を見ていて、残り1kmのところで電池が切れて見られなくなってしまったときにとても不安になったので、これらの情報が飛行に果たす役割は大きかったと実感しています。

小幡さん) 実はARグラスの筐体は大学の提案公募方式による課外活動支援制度を活用して購入しました。他にもテストフライトをするために滑走路に向かう際のトラック代も支援していただきました。とても助かっていました。

―今回優勝できた秘訣を教えてください

前川さん) 本番直前まで機体の重心の調整を行ったことが一つの要因だと思っています。T-MITでは重心測定という、飛行機を体重計に乗せて重さを測り、機体の重心を設計値と合わせる作業を行います。重心測定の日で設計値とぴったり合わなかったため、臨時にもう一日使ってとにかくしっかり合わせました。また大会当日、飛行中に空力設計の岡崎くんが並走するボートから無線で送ってくれた操縦指示もとても重要だったと思っています。

―これまでの活動の中で大変だったことを教えてください

小幡さん) やはりコロナウィルスの影響が一番大きかったです。人数制限や活動時間制限があったため、このルールの中で機体を完成させるのがとても難しかったです。効率化できる部分を徹底的に探して、スケジュールを短くしました。また、先にチームとしての全体のスケジュールを設定し、各班長が自分の担当部分が間に合うように作業スピードを一生懸命工夫してくれました。感染症防止対策のための大学からの制限はとても大変でしたが、他大学では一律部活動禁止となり機体が製作できないチームが多くある中、感染対策を考えた上で活動を許可してくれたことにも感謝しています。これまで部員で感染は発生しておらず、今後も気をつけていきます。

―飛行機をつくり飛行させ結果を残す、貴重な経験をされたと思いますが、自分にどんな影響を与えたと感じますか?

小幡さん) このプロジェクトで初めて代表という立場を経験しました。T-MITは人数が多いので、とりまとめる難しさを経験しました。部員一人一人その人の性格や考えていることがたくさんあるので、それを理解することが重要だと考えてきました。人のいいところを生かす大切さを学べたと思っていて、これは今後いろんな場面で役に立つのではないかと思っています。

―現在のT-MITの強みを教えてください

岡崎さん) T-MITのメンバーは職人気質がとてもあると思っています。今年度は最上級学年が8人いましたが、それぞれ自分の担当の部分をしっかり妥協なくこなしてくれました。飛行機という大きいものを作って飛ばすということに必要な作業を、いくつかの担当に分けそれぞれが役割を確実にこなすという、職人集団のようなノリが強みだと思っています。

―最後に今後の方針と意気込みを教えてください

宮原さん) T-MITは大会後、次年度のメンバーでチームの方針を決めるコンセプト会議というものを行います。大会でしっかり飛行し記録を残せたので、今よりも攻めた機体を作ろうということになりました。どの部分で攻めるかを現在、いろいろ話し合っているところで、夏休み中に決定する予定です。また、T-MITの特徴にも繋がると思うのですが、引退した先輩の協力が非常に手厚いので、ヒントをもらいながら戦略を練っていきたいと思っています。おそらく自分の代でもコロナが収まってないので、また1年間大変な製作になると思っています。ただ、今回琵琶湖に行って優勝できたという経験があるので、とても大きなモチベーションにつながっています。これから1年間頑張りたいと思います!

―部として何かメッセージはありますか?

宮原さん) T-MITでは常時部員を大募集しています。鳥人間は大学生活だからこそ経験できる貴重な活動です。専門知識は入部してから身につけることができるので、文理問わず大歓迎です。鳥人間コンテストを見て興味を持った方は是非、部のTwitterにDMしてください!
(連絡先Twitter: @2021_TMIT)

―今回はありがとうございました。現在WEBオープンキャンパスが開催されている時期なので、高校生にも一言お願いします

前川さん) 明確に将来の方向性が決まっていなくても、少しでも興味があるなと思ったら首を突っ込んでみるのもいいのではと思います。僕自身も最初から鳥人間をやりたいと思っていたわけではなく、いろんなサークルの話を聞く上で鳥人間に興味を持ったため入ってみました。その結果、優勝するという経験ができたので、興味を持ったら積極的に行動してみるのも一つではないかと思います。

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【取材・文:システムデザイン研究科 城間佑樹(学生広報チーム)】

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