ロケット製作サークル「CORE」の核心に迫る!
【2021年1月29日掲載記事】
ー2020課外活動団体紹介⑦(CORE)ー
ロケットなんて遠い世界の話だと思っていませんか?実は、ロケットを自分たちで一から設計し、実際に空に飛ばしている大学生がいるんです。今日はそんなロケット製作サークル CORE代表の瀧澤巧さんにお話を聞いてみます。(2020年12月取材)
―普段はどのような活動をしていますか?
毎年、8月に「能代宇宙イベント」、11月と3月に「伊豆大島共同打上実験」という3つのイベントに参加しています。新体制が4月から始まり、8月の「能代宇宙イベント」でどんなロケットを打ち上げるのかをみんなで話し合ってプロジェクトを決めます。5~7月はプロジェクト達成のためにみんなで議論をしながらロケットの設計を行いつつ、ロケットエンジンの燃焼実験を行っています。9月に入ると11月の「伊豆大島共同打上実験」に向けての準備を行い、10月から実際に機体を製作していきます。同様に、3月の「伊豆大島共同打上実験」に向けてのプロジェクトを12月から開始し、3月に終わるという流れです。
―コロナ禍の状況において、今年度はどのように活動していますか?
今年度は、8月に行われるはずだった「能代宇宙イベント」が11月に延期され、そちらに参加しました。現在は、3月に開催予定の「伊豆大島共同打上実験」に向けて準備をしています。昨年度までは、セミナー室を借りて直接会って設計について話したり、3Dプリンターを用いて製作を行っていましたが、今年度は対面とオンラインでの活動をそれぞれ週に1回行っています。新入生教育を実施するにあたっては、オンラインで説明を行い、基盤や道具を送って実際に自宅で動かしてもらいました。
また、大学会館への立ち入り時間が連続2時間までと制限されているので、例年よりロケットの製作時間を取ることができません。そのため、なるべく簡素な構造のロケットを作れるように意識して設計をしています。
―11月に行われた「能代宇宙イベント」の結果はどうでしたか?
こちらが、今回打ち上げたロケット「ひばり」です!でも実は、悪天候によって製作したロケットを打ち上げることができなかったんです。 実際に打ち上げることはできませんでしたが、短い時間の中で製作を行い、上級生と新入生が現地で一緒に作業することで、COREの団結力がより一層強化されました。今回得た経験を生かして、3月の「伊豆大島共同打上実験」に向けて精進していきたいです。
―ロケットって実際にはどうやって作るのでしょうか?
まずはプロジェクト決めから始まります。「どんなことをしたいのか」「ロケットにどんな機能を加えたいのか」など、話し合って考えていきます。次に「概念設計」を行います。これは ①定められたミッションを達成するために必要な要求、②要求を満たすための仕様、③仕様を満たすための構造 を考えるという流れに沿って設計をしていきます。概念設計を終えると、具体的に構造やコンポーネント(部品)の配置などを考えます。その後、コンポーネントの寸法や材料、使うねじの本数などを詳細に決め、製作作業に移っていきます。製作作業ではボディチューブに穴をあけたり、アルミ加工をしたりして実際にロケットを完成させていきます。
▲ 左の写真のように設計したものを実際に作ると右のようなエンジンブロックが完成します。
―ずばりCOREの魅力って何ですか?
COREは、日本で数少ない、独自でエンジンを開発して運用しているところが魅力だと思います。また、みんなで意見を出し合って「飛翔中にロケットの内部で目玉焼きを作るロケット」や、「発電機構を搭載したロケット」など、独創的なミッションを設定して製作に取り組むこともできます!航空宇宙システム工学科の人だけでなく理学系、機体系、教育系の人など様々な人が所属しており、ロケットに詳しくなくてもCOREに所属してから学ぶことが出来ます!
―最後に新入生に向けてのメッセージをお願いします!
CORE では、一緒に活動するメンバーを随時募集しています。
「モノづくりがしたい!」 「宇宙やロケットに興味がある!」「マネジメントや広報活動をしてみたい」そんな方を募集し ています。HP や Twitterから気軽にご連絡ください。CORE に入って一緒にロケットで空に挑戦しましょう!
※コロナウイルス感染拡大に伴い、紹介されている活動の内容等は変更となっている場合があります。
【取材・文:人文社会学部人間社会学科 菅谷菜々花(学生広報チーム)】