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2022.03.25
※2022年3月以前に都立大HP「People都立大人」に掲載された記事のアーカイブ記事です。

サッカー部×硬式野球部 コロナで見えた「チーム」の価値

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【2021年1月28日掲載記事】
ー2020課外活動団体紹介④(サッカー部×硬式野球部)ー
世界中の生活が一変した2020年。東京都立大学でも異例のキャンパスライフが訪れた。いや、訪れなかったというべきか。自粛期間中は大学構内に入ることができず、授業はオンラインで行われた。これまで当たり前だと思っていた大学キャンパスでの生活や課外活動は行うことが出来なくなった。
 そんな中、都立大の部活動・サークルの団体は学外で地道に自主練習という形で活動を続けてきた。今回はその中でもサッカー部主将の牛丸さんと硬式野球部主務の須田さんに、自粛期間中とその後の活動について、オンラインでお話を伺った。
(2020年12月取材、インタビュアー:学生広報チーム 黒須)

キービジュアル
東京都リーグ2部初戦、成城大学戦、後半開始前の円陣(サッカー部)

自粛期間中、どのように過ごしていた?

  • 黒須 インタビューにご協力いただきありがとうございます。
    本日は、コロナによる自粛期間中とその後について、①自粛期間中どんなことを行っていたか、②どんなことを得られたか、③自粛が開けて今どのように活動しているか、を中心にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします!
    ではまずはサッカー部から、牛丸くんどんなことを行っていました?
  • 牛丸 3月から自粛期間となり、4月から自主練習を開始しました。5月からオンラインミーティングをはじめ、6月からはオンラインで全体練習を行いました。その後、対面での活動が再開となり、その一か月後にリーグ戦に途中参加しました。そこでは勝利を収めることが出来ました。
  • 黒須 自粛明けすぐの試合での勝利、素晴らしいですね!サッカー部はかなり早い段階から自主的に動き始めたみたいですね。では続いて硬式野球部須田くん、お願いします。
  • 須田 5月ごろに春季リーグが中止となってしまい、そこから幹部が交代し、新チームとして始動しました。自分たちも班ごとにオンラインミーティングを行い、大学野球の意義や自主練習の内容の共有を行いました。その後、活動は再開したものの、結局秋季リーグは中止になってしまって。11月上旬に行われた代替トーナメントでは準優勝することが出来ました。

活動自粛中に気づいた「自主性」と「強制」のバランス

  • 黒須 2人ともありがとうございます。自粛期間中にオンライン上でミーティングをして、普段は話せていないような部活動の意義とか、根本的なところを話せたようだけど、その効果はどうでした?
  • 牛丸 まずは、サッカー部に入ることで得られるプラスの効果を話し合えたことは良かったと思っています。しかもそれをみんなで考えて共有できたというのは意味のあることだったと感じています。色々と意見が出た中で、「学生主体の中で、組織について考えて意見を発信する能力」を身につけられるという意見が印象に残っています。
  • 黒須 須田くんはどうですか?
  • 須田 硬式野球部も学生主体で活動している中で、意見を出し合うことの大切さは再認識させられました。
  • 黒須 自粛期間中に活動が制限される中で、より学生主体で、自分達で動かなくてはならないということが実感できたのかもしれないですね。
    一方で、自粛期間中でも部として動いていく中で、難しいことも多々あったと思うんだけど、どうでしょうか?
  • 須田 自主練習の強制具合をどこまでにするかということは難しい問題でした。班別で動いていたんですけど、班によって自主練習の練習量に差が生まれてしまったりして。やらされる自主練習はしたくないし、させたくない。ジレンマでしたね。
  • 牛丸 サッカー部でも、自主練習を行う上でその難しさは感じました。そもそも情報共有が難しく、部として動いているが、全体を把握できない。他の部員も自分自身も、鍛えられているのかどうかがわからないという不安が常にありました。
  • 黒須 おもしろいですね。今まで、「自主性」の良いところしか見てなかったけど、デメリットも見えてきた。しかしデメリットを補うための「強制」はそれ自体良いものなのか。考えさせられますね・・・。  こういった、「自主性」と「強制」のバランスみたいなものって、コロナによる自粛期間より前から考える機会はありました?
  • 牛丸 僕は、自粛期間によって気付かされました。
  • 須田 自分も自粛期間中に気づきました。いま思うと、これまでの活動は「自主性」に任されていた部分が多かったと気づきました。やったほうが良いけど強制はできないものも多いなって思います。
  • 黒須 「自主性」って出させるものじゃなくて出してもらうものですもんね・・・。「自主性」に任せる部分と「強制」してみんなで行う部分を見極めてうまく使うことが重要になってくるのかもしれないですね。  今後の活動ではどう生かせそうですか?
  • 須田 全体練習、個人の自主練習に関わらず、目標に数値などをうまく使って、自主性を担保したいと思っています。目標の具体的設定はチームで行って、実力アップは個人個人の自主的な力も使う。そうして目標に向かいたいですね。
  • 牛丸 チーム内での競争も非常に重要かなと思いました。数値化やいわゆる「見える化」を行って、これから個人練習が増える冬を充実させたいなって思います。チーム内の環境づくりが重要だと思います。

チームで活動できることのありがたみを実感

  • 黒須 難しい質問になりましたね(笑)次は視点を変えて、単純にコロナの自粛期間を通して何か変わったことはありますか?
  • 牛丸 みんなでサッカーができるってことが、こんなにも楽しいのかっていうことをより強く感じました。都立大は設備も良くて、芝の上でプレーできることがこんなにもありがたくて嬉しいことなんだと感じるようになりました。
  • 須田 基礎的な練習がより大切なんだなと感じました。あと、練習相手がいるということも。自分だけでは気づかないことも、相手がいれば気付けたりできることが多いのかなと感じるようになりました。
  • 黒須 なるほど、対面とオンラインとでは、何が違うと感じますか?
  • 須田 人が集まるってこと自体が大切なんだと思います。意思の伝わりやすさもそうですが、その人個人の持つ雰囲気であったり、場をどのようにチームで共有するかということが、集団形成を行う上で大切で、そこはオンラインではなかなかできないのかなと。
  • 牛丸 相手のプレーを間近で見ることが重要なんだと思います。お互いに指摘し合えることもそうですが、チームとして動き、鼓舞し合うことが強くなる上で重要だと思いました。
  • 黒須 チームにとって大切なことが見えてきましたね!では最後に、コロナだからこそ得られたことと今後の抱負を教えてください!
  • 牛丸 自分たちの部活の価値を認識できたこと。チームで活動できることのありがたみを知れたことです。今後も、ただ勝利することを目指すのではなく、「想いを大切に、感動を和かちあおう」という理念に基づいた活動をしていきたいと思います。
  • 須田 自主性の重要性と難しさを知ることが出来たこと。日々の活動がいろいろな人の手で支えられており、普段の活動,練習こそが大切だと気づけたことです。「東京学芸大学に2勝し一部昇格する」という目標を常に言葉にし続けながら活動していきたいと思います。
  • 黒須 お二人ともありがとうございました!
どの部活にとっても難しい1年だった2020年。失ってしまった時間の中で、得られたものは確かにあった。新たに発見できた、自分たちの活動の意義や価値をさらに昇華できますように。サッカー部と硬式野球部のさらなる発展、ご活躍に期待していきたいですね。

※コロナウイルス感染拡大に伴い、紹介されている活動の内容等は変更となっている場合があります。
【取材・文:都市環境学部 黒須康太、健康福祉学部 飯田なな海(学生広報チーム)】

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