第67回大阪府立大学首都大学東京総合定期戦
【2019年8月22日掲載記事】
7月5日(金)~7日(日)に第67回大阪府立大学首都大学東京総合定期戦が行われた。異例の大雨で中止となってしまった去年の定期戦。今年も天候が心配されたが無事に開催することができ、総合結果はホームである首都大学東京が11-8で勝利を収めた。
サッカー部(●首都大1-2府大○)
7月5日(金)、天候は曇り、少し濡れたピッチ。府大ボールから前半が開始した。前半、首都大がボールを保持して相手を動かしながらチャンスを伺う時間が長く続く。しかし府大も負けじと首都大の攻撃を跳ね返し、互角のまま前半が終了した。
迎えた後半、府大はメンバーを大きく入れ替え、首都大からは留学生のサムがピッチに入る。試合はすぐに動いた。中盤の混戦から荒田(#24,1年・都市環境)がボールをキープし、吉田(#20,4年・都市環境/建築)へ。これを冷静に流し込んで1-0。首都大が先制点を決め、首都大の応援達は手荒い祝福で吉田を出迎えた。
しかしその優勢ムードは束の間、試合が徐々に府大ペースとなる。ついに後半21分、首都大のパスミスから府大がショートカウンターを仕掛け、吉中(#10,4年・自然科学)に決められてしまう。同点とされた首都大もセットプレーなどからチャンスを作るが攻めあぐね、お互い決め手を欠くまま終盤へ。先に決定機を迎えたのは府大。サイドチェンジからゴール前まで攻め込み最後は混戦からシュートを府大が決めて1-2となり、首都大はピンチに立たされる。その後首都大もフリーキックから決定機を作り出すも、ゴールを奪えず、試合は1-2で惜しくも府大の勝利となった。
今年の府大戦は開会式中と言うこともあり、応援に来られる人が少なかったが雰囲気は良く、両チーム盛り上がった試合であった。
前半の攻防(首都大学東京球技場)
硬式野球部(●首都大1-2府大○)
前日の雨でグラウンドには水たまりができていた。そのため、今年の硬式野球部の府大戦は両大学力を合わせてのグラウンドの水取り・整備で始まった。
首都大が先攻で試合開始。1番森川(#48,3年・経営)が初球をたたきレフト前ヒットを放ち、幸先の良いスタートになるかと思いきやこの回は無得点に終わる。対して府大は初回、4番津賀(#47,府大)の適時打により先制する。しかし3回、首都大は8番近藤(#27,3年・放射)の2塁打、9番今別府の適時打の連打により同点となる。
首都大の亀里(#38,3年・法)、府大の丹羽(#34)の両先発の好投により1-1のまま試合は進む。試合が動いたのは5回、府大は代わった首都大の投手横山(#47,3年・人文社会)に攻めかかる。1番杉山(#40, 府大)が完璧なスタートから盗塁を決めると,2番岡田(#20, 府大)がセンター前に適時打を放ち府大が勝ち越し1-2とする。両大学とも何度も得点のチャンスを作るもお互いに守り抜き、試合はそのまま最終回へ。9回表、1死(アウト)で途中から出場した8番善波(#31,1年・航空宇宙)がセンターを越える2塁打を放つ。続く9番今別府(#11,2年・法)は四球を選び、1死1・2塁、打席に立つのは初回にヒットを放った首都大の主将森川。3球目を強くたたき、鋭い打球がライトへ飛ぶ。しかしこれを府大の右翼手、富井(#22)がキャッチし、ホームに生還しようとスタートを切っていた2塁ランナーの善波が戻り切れずダブルプレーとなり試合が終了。1-2、府大の勝利で幕を閉じた。
グラウンド整備から始まった今年の府大戦。緊迫した雰囲気の中に、お互いに応援する、声を掛け合うといった楽しげな様子が見られた。真剣勝負だけではない府大戦ならではの楽しい試合であった。
試合写真(首都大学東京野球場)
アイスホッケー部(○首都大3-1府大●)
7月6日(土)、KOSE新横浜スケートセンターでアイスホッケー部による試合が開催された。
氷を張ったリンクを囲む肌寒い客席で多くのOB・OG、応援団、チアなどが見守る中始まった第一ピリオド。最初に試合の展開を動かしたのは首都大だった。開始3分、高橋佑合(#17, 4年・法)が森田拓夢(#71, 3年・都市環境/応用生命科学)のアシストの元、先制点を決めた。その後、第2ピリオドで府大に1点を奪われるも同じく第2ピリオドに森田が追加点を決め、再び試合の流れを掴んだ。第3ピリオド、試合の終盤となり客席からの応援も一層熱を増す中、松下伸(#13, 4年・理/生命科学)がさらに得点を奪い、首都大側の応援席を大きく沸かせた。首都大はそのまま試合の流れを渡すことなく3-1で見事勝利を収め、近年惜しくも府大に負けを喫していた首都大が雪辱を果たす結果となった。
今回の試合において目立ったのは3点の得点を獲得した攻撃面だけではない。何度も府大に攻め込まれるもそれを食い止め、1失点で抑えたGKをはじめとする守備面でも好プレーを見せ、首都大アイスホッケー部の強さを見ることができた。府大戦のみならず、これからの活躍にも期待したい。
試合中の様子(KOSE 新横浜スケートセンター)
大会委員長インタビュー
最後に、両大学の委員長に行った定期戦についてのインタビューを掲載する。2人の熱い思いをここに記す。
―まずは府大戦、首都戦、お疲れ様でした。終わってみての感想を教えてください。
(府立大委員長 白瀬さん)まずは、大きなトラブルなく終われたことがよかったです。天候も心配されていましたが、なんとか持ちこたえて多くの競技が実施できたことが活気ある府大戦・首都大戦につながったと思います。また、今年度は東京での開催でしたが、大会運営についても微力ながらお手伝いさせていただき、自分自身にとって貴重な経験になりました。
(首都大委員長 菅野さん)3日間天候が心配される中、無事全競技を終えることが出来てホッとしております。大会期間中は定期戦運営が滞りなく行えているか、怪我人は出てないかということばかりに気を取られていたので、終わった今考えてみるとこの場面ではもっと良い行動が取れたのではないか、もっと工夫できたのではないかと感じています。この反省を再来年のホームでの大会運営に繋げていきたいです。
―白熱した3日間でしたね!3日間を通して、ベストシーンはどこでしたか?
(白瀬さん)大会期間中、じっくりと見ることができた競技はあまり多くないのですが、最終日のハンドボールの試合は見ていてとても楽しかったです。自分自身、ハンドボールの試合自体を見たことがなかったのですが、パス回しの速さやゴール前の攻防、アクロバティックな動きなど見所が多かったです。自分の競技以外の試合に触れられるのも、府大戦・首都大戦の魅力だと思います。
―たくさんの競技を見ることができ、応援できることは大きな魅力ですね!菅野さんのベストシーンはどこでしたか?
(菅野さん)難しい質問ですね(笑)。この大会期間中、沢山の興奮する場面や熱い闘いが繰り広げられました。その中で僕が選ぶのは開会式で前哨戦として行われた各部代表者達による綱引きです。今年の大会テーマは「一心」ということで、体育会、ひいては大学全体が心を一つにしてこの定期戦に挑むという願いを込めてつけられました。その言葉通り、綱引きの最中は首都大側も府大側も心を一つにして自分達の大学を応援し、戦っていて体育会全体の「一心」を体現している印象的な場面だったと考えています。
―綱引きとは正直意外でした(笑)。でも確かに「一心」という言葉を表したシーンでした。最後に、今後の府大戦・首都大戦、体育会に対してどのような期待をしているか教えてください。
(白瀬さん)今回の府大戦・首都大戦を通して、主体的に動くことの大変さと同時に面白さを感じることができました。学生が主体となってこのような大規模な行事を行う経験は他では得がたいと思うので、次回以降も学生の主体性を大切にしてほしいです。また、歴史が長い府大戦・首都大戦ですが、伝統を守るだけでなく、より良くなる新たなアイデアがあれば、どんどん実現していってほしいです。
(菅野さん)今年で首都大学東京という大学名で定期戦に参加するのは最後で来年からは東京都立大学としての参加となります。また大阪府立大学も今後、大阪市立大学との合併を進めていく可能性が高いということで両大学の変革期を迎えています。僕自身の願いとしては、どのような形であれ、大阪と東京を代表する二つの公立大学同士の定期戦が続いていって欲しいということです。また今年は学内での周知に力を入れ、看板設置や生協での応援企画を行ったのですが、この定期戦の認知度を今後、学内から地域へと広げていき、体育会の学生だけでなく、首都大・府大生全体、地域の人々が当日観戦に来てくれるようなイベントにし、回数を重ねるごとに規模が大きくなっていくことを期待します。僕がお爺さんになった時に都民なら誰でも知っているような定期戦になっていれば面白いですね(笑)。
―今後ますます首都大戦・府大戦を盛り上げていきたいですね!お二人とも、ありがとうございました!
【取材・文:自然文化ツーリズムコース 黒須康太、放射線学科 飯田なな海(学生広報チーム)】