課外活動団体紹介 ④男子バスケットボール
【2018年3月28日掲載記事】
システマチックに勝つプレー ~首都大バスケを貫くチームの絆~
寒さの厳しい1月の体育館で、練習に励む学生たちがいた。男子の面々である。
現在18人(プレイヤー14人、マネージャー3人、学生コーチ1人)で活動しており、シーズンオフ中も週に2回の活動に汗を流している(シーズン中は月・水・木・土の週4日)。
昨年度の男子バスケットボール部は、第93回関東大学バスケットボールリーグ戦での4部昇格を目標に掲げ、5部八王子Aブロックを1位通過し、5部入れ替えチームトーナメントの結果、5部残留が決定した。
今回我々は、来る5月の第58回関東大学バスケットボール新人戦、そして第94回関東大学バスケットボールリーグ戦4部昇格という目標を掲げる彼らの部に対する思い、目標に向けての意気込みなど貴重な話を聞くことができた。
Q. 首都大のバスケ、チームの強みとは?
まず数多くのプレイヤーから聞くことができたのは、首都大バスケ部の特徴は「システマチックなバスケ」にあるということである。これは前任の長谷川コーチから伝授された、「戦術の理解に重きを置いたプレー」(大月 英輝さん 経営2年 PG)である。「頭を使って一つ一つの動きを細かく分類し、自分たちの決めたルールを徹底してやりたいことを表現していく」(儀間 盛智さん 法3年 副キャプテン SG)プレースタイルは首都大バスケ部ならではの強みだ。また現在のチームの強みは「突出した能力を持つ人はいないがそれぞれが個性を持っていて、誰と誰が組み合わさっても色のあるチームになれる」ことであるとキャプテンの矢野 光太郎さんは語る(経営3年 SG)。矢野さんはキャプテンとして学年関係なく意見を言える環境づくりを意識したという。それは1年生の田渕 友希さんからも「横だけでなく縦の繋がりもあって分け隔てなく話しやすいチームは後輩としても嬉しい」(生命C)という声を聞くことができた。取材日当日の練習でも上級生下級生の垣根なく積極的な声かけやアドバイスをしている様子を何度も目にした。その一つ一つにおいてチームの団結力、熱量を直に感じられた。
Q. 個人の強みや練習の工夫は?
システマチックさが特徴だという首都大男子バスケ部。そんな中でも特にチームを先導し、活躍する個人の強みや得意なプレー、普段意識していることについて聞いてみた。
まずはキャプテンの矢野さん。
爽やかな印象の矢野さんはきちんとメンバーの話を聞けること、チームを引っ張る発言力が長所だ。常に率先してチームのことを意識し、全員が成長できるように考えて行動しているというところにキャプテンらしさがにじみ出ている。
次に副キャプテンである儀間さん。
元気がよく、明るい笑顔の儀間さんの得意なプレーはスリーポイントシュートだ。今回練習を見学させていただいたときにも華麗にシュートを決めている姿が印象的であった。しかし、ただロングシュートをたくさん打つのではなく、試合の流れを汲み取り、中と外使い分けたプレーをしているそうだ。普段の練習内ではコミュニケーションを意識し、チーム内でもどう動いてほしいかを伝えるように意識しているという。
大エースだという大月さん。
強みは、個人のプレーだけではなく、試合の流れを気にしながら全員がボールに触れているか?とポイントガードというチームの司令塔を担う自身のポジションにぴったりな視野の広さだ。特に試合の流れが悪くなると、先輩後輩関係なく「声を出して」チーム全体をひっぱる。また普段の基礎的な練習中から試合を意識し、勝ち負けにこだわって取り組んでいるという。
最後に田渕さん。
190cmという高身長の持ち主で、メンバーからの新人戦での活躍が期待も厚い。センターというポジション柄、インサイドでフォワードを生かすプレーを得意としていると笑顔で話してくれた。
昨年のリーグ戦では惜しくもⅣ部昇格に手が届かず悔しい思いをした、バスケ部。来たる新人戦では試合を意識して練習にのぞみ、一戦一戦勝ち進んでいけるようにしていきたいと意気込んでいる。
▲ 田渕さん(写真左)、キャプテンの矢野さん(写真右)
▲ 儀間さん(写真左)、大月さん(写真右)
かけがえのないマネージャー
チームを支えるマネージャー塩原日香梨さん(法2年)に話を聞いた。
自身も以前はプレイヤーとして活躍していた塩原さんは、他の同期のマネージャーが辞めてしまった今も、選手には見えない裏方の仕事まできっちりこなしている。まさに縁の下の力持ちだ。
チームについて、「とにかく仲が良い。練習中はコーチがいない分、自分たちで声を出して盛り上げようとしている」と語ってくれた。そんな塩原さんにとって、選手たちが試合に勝てて喜んでいる姿や、負けても次こそ頑張ろうとしている姿を見たときが、このチームでマネージャーをやっていて良かったと思える瞬間だそうだ。
今回、5人の選手たちに、同じ質問をしてみた。
―「マネージャーさんに対する思いを教えてください」
すると皆口をそろえて答えた。
―「感謝しかない」
儀間さんは、「いるだけで励みになる。頼り切るだけではなく自分たちもマネージャーに感謝しないといけないと思って過ごしている」と話してくれた。
支えるだけでなく、自身も選手と共に戦うマネージャー塩原さん。練習中も選手1人1人のプレーを見て、良いプレーには「ナイスショット!」と声をかけていた。コートに響く彼女の声は、チームに活気を与えているように見えた。
ひたむきにチームを支える彼女は、「裏での仕事は選手には見えていない」と言っていたが、彼女の思いは確実に選手たちに届いている。彼女が選手たちを大切に思っているように、選手たちもまた彼女をかけがえのない存在だと思っている。選手たちにとって、マネージャーの笑顔ほど励みになるものはないのだろう。来年のリーグ戦では4部昇格を掴み取り、一番側にいる大切な人を笑顔にしてほしい。
▲ マネージャーの塩原さん
【取材・文:経営学系 長野 由佳、人社 浅利 祐梨奈、経営学系 奈良 朱子(学生広報チーム)】