博士後期課程学生対談
研究者の人材育成に力を入れる東京都立大学は、博士後期課程の学生支援を持続的に拡充し、経済的支援やキャリア支援など充実したプログラムを推進しています。
今回は、博士後期課程で研究に邁進する2名の対談を通じて、都立大の博士後期課程の魅力をお届けいたします。

人文科学研究科 社会行動学専攻 社会学分野、博士後期課程1年。白神山地の保全と地域社会の関係のあり方の研究に取り組む。学振特別研究員DC1、みやこMIRAIプロジェクト区分2の支援を受ける。
システムデザイン研究科 システムデザイン専攻 情報科学域、博士後期課程3年。音から周囲の環境を認識する研究に取り組む。学振特別研究員DC2、みやこMIRAIプロジェクト区分2の支援を受ける。
音と環境、自然と人 それぞれの研究への道
まずはお二人の研究内容と、博士後期課程への進学を決めた理由を教えてください。

進学を決めたのは、高専時代のインターンシップで現在の研究室のレベルの高さに惹かれたことがきっかけです。インターンシップ2ヶ月間の成果を国際会議で発表する経験もでき、「もっと研究を深めたい」と強く思い、都立大に進学しました。博士前期課程を経て研究が面白くなってきたタイミングで、「人生の中で博士号を取得したい」という目標もあり進学を決めました。

白神山地を選んだ理由は、都立大の学部在学中、卒業論文執筆時に指導教員の勧めで訪れた際、地域の魅力に惹かれたからです。博士前期課程では他大学で文化財科学を学びましたが、その間も都立大の社会調査実習に参加して白神山地の調査を継続していました。研究成果をその地域に還元したいという思いから、博士後期課程では再び都立大への進学を選びました。
充実した支援制度が研究を支える
都立大の支援制度について教えてください。


学振特別研究員の申請はどのように進めましたか。


博士号の意義
博士号の意義について、どうお考えですか。

まただからこそ、研究者は自身の発言の重みを自覚し、責任をもつ必要があると考えています。博士号はこのように長期間研究し続けて培った実力の証だと思います。

今後の目標やキャリアについてはどうお考えですか。


最後に、博士後期課程進学を考えている学生へメッセージをお願いします。



都立大の博士後期課程学生支援プロジェクトでは、キャリア形成に役立つ多様なトランスファラブルスキルプログラムを提供しています。今回はその中でも、日常から離れた環境で研究や将来、社会との関わりを振り返る「リトリート」を紹介します。
リトリートは、合宿型のプログラムで、共同生活やフィールドワーク、討論、エクスカーションなどを通して多様な価値観に触れ、新たな視点を得ることを目的としています。普段の研究室とは異なる環境に身を置くことで、思考を整理し、研究者としてのモチベーションや方向性を再確認するきっかけにもなります。開催場所は御岳山の宿坊や熱海など、年度ごとにさまざま。参加者は博士後期課程の学生や研究者が中心で、専門分野を越えた交流が生まれることも魅力のひとつです。
博士後期課程学生支援プロジェクトのリトリートプログラムに参加されたそうですね。

特に印象的だったのは、岩本さんのようにフィールドワークを中心とした研究スタイルの人の話を聞けたことです。私はパソコンでのデータ解析が中心の研究なので、まったく違うアプローチに触れることができました。異なる分野の研究手法を知ることで、自分の研究にも新しい視点が生まれました。

博士後期課程1年という、これから本格的に研究を進めていく段階で参加できたのは幸運でした。私以外は全員理工系の学生だったのですが、数値データやモデリングで論拠を示していく手法に触れ、自分の研究にも数値的な根拠付けを取り入れてみたいと考えるようになりました。同じ回に参加した河村さんとは学年や分野が異なるため、より社会への波及効果を意識した研究に対する姿勢や工学系ならではの考え方の違いを感じることができました。
リトリート参加前と参加後で、何か変化はありましたか。


※1 学振特別研究員
独立行政法人日本学術振興会特別研究員制度。国が実施しているもの。特別研究員制度は、我が国の優れた若手研究者に対して、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、研究者の養成・確保を図る制度です。DC1・DC2・PD等、特別研究員としての区分に応じて研究奨励金(生活費相当額)月額20万円(DC)のほか、特別研究員奨励費(科研費。最大450万円)が支給されます。
※2 みやこMIRAIプロジェクト
みやこMIRAI(Motivating Integrated young Researchers towards Adaptive intelligence Initiative:MIRAI)プロジェクトは、本学の独自支援。一定の資格要件を満たす博士後期課程の学生を対象に、年額240万円の研究奨励費の支給及び研究費として年額30万円(上限)を措置するほか、授業料免除などの支援を行うことで、研究に専念できる環境を整備することを目的としています(区分1支援)。さらに、2年次以降に日本学術振興会特別研究員(DC)に採用された学生や、これと同等の優れた研究業績を有する学生には追加の給付を行い、授業料免除と合わせることで同世代の社会人と同水準の経済的支援を提供します(区分2支援)。また、研究インターンシップなどのキャリア形成支援も実施します。
※3 東京都立大学 領域リフレーミング(Arena Reframing:AR)
双対型博士人材育成プロジェクト
東京都立大学「領域リフレーミング(Arena Reframing:AR)双対型博士人材育成プロジェクト」は、国の助成を受けて本学が実施しているプロジェクトです。既存の学問分野の枠にとらわれず、多様な知を組み合わせて新しい研究領域(アリーナ)を創り出すことのできる博士人材の育成を目的としています。ARとは、主専門分野に多分野の視点を取り入れて学問領域を再構成し、新たな洞察やイノベーションを生み出すための考え方です。本プロジェクトでは、研究に専念できる経済的支援(生活費相当額・年額240万円及び研究費年額30万円~)を提供するとともに、キャリア形成を支援する多様なプログラムを実施しています。
総合研究推進機構 博士人材支援室
https://research-miyacology.tmu.ac.jp/human-resources-support/