東京都立大公式WEBマガジン
2023.03.24
都立大生 My FAVORITE PART2

都立大生の「推しの先生」

この記事を共有する

都立大生のお気に入りなものを紹介!
第2弾は、都市環境学部の2人の学生に推しの先生について、おすすめする理由や推し授業、授業を受けた感想などを教えてもらいました。

キービジュアル

イチ推しの先生 理学部数理科学科 酒井 高司 教授


都市環境学部 都市基盤環境学科 2年 高橋 悠司さん
高橋 悠司さん

初めて酒井先生の授業を受けたのは、2年次前期に履修した理系共通基礎科目の「解析入門」。物理の問題を解く際に用いられる微分方程式を学ぶ科目です。1年次に「線形代数」の単位を落としてしまい、2年次になる前の春休み中に数学を学び直したことでおもしろさを感じ、純粋な興味から履修しました。また、2年次後期には、以前から興味があった幾何学を学ぶことができる授業を探し、数理科学科の専門科目で酒井先生が担当している「幾何学序論」と「幾何学序論演習」も履修しました。幾何学は線形代数との関わりも強く、線形代数での定理までさかのぼって、わかりやすく説明していただきました。酒井先生の魅力は、私のように数理科学科ではない学生でも理解しやすいように、定理や定義の背景にある基礎を省略せず、丁寧に示してくれることです。だからこそ私は、アルバイトをしている塾講師で酒井先生を見習い、ときには基礎までさかのぼって指導しています。簡単なことでも確実に理解してこそ次のステップに進めますし、生徒の成長を感じながら教えることに楽しさとやりがいを感じています。学業面でも酒井先生に教わった数学を活かして、学科での専門的な学びを深めていきたいです。

酒井 高司 教授
酒井 高司 教授
2021年度から「新しい対面授業」として、講義ノートをkibaco※から授業前に配布するようにしました。基本的な事項を講義ノートにまとめておくことで、教員は文章では伝え難い概念的な説明により時間をかけることができますし、学生は数学の内容を解釈し理解することに集中して受講することができるようになると期待しています。また、授業では数学的な対象を、コンピュータを使ってグラフィックス化することにより、視覚的に捉えることも試みています。幾何学的なイメージや物理的な解釈を持つことは、数学の抽象的な理論について理解を深めるためにとても有効です。
「幾何学序論」で学ぶ曲線と曲面の微分幾何学では、1年次に学んだ微分積分や線形代数、2年次の解析入門Ⅰ(常微分方程式)の内容が随所に出てきます。これらの数学の理論を統合的に用いることで、曲線や曲面などの曲がった対象を数学的に解析することができるようになります。幾何学の理論は純粋数学のみならず、自然科学や工学への応用においても有用です。この授業で学んだ知識を自身の専門にぜひ役立ててもらえればと思います。

※学生が「いつでも」「どこでも」自主的に学習に取り組めるよう導入している大学標準のeラーニングシステム

イチ推しの先生 都市環境学部都市政策科学科 松井 望 教授


都市環境学部 都市政策科学科 4年 森下 裕貴さん
森下 裕貴さん

私は入学当初から行政に関心があり、松井先生の「公共経営論」を履修。行政の現場の様子がわかる臨場感溢れる講義に引き込まれました。3年次には都市政策科学科が開講する「公的部門インターンシップ」を受講し、東京都庁のインターンシップに参加。同科目で「大災害発災時の自治体職員派遣と組織的復興支援のあり方」をテーマにしたレポートを執筆する際も、松井先生はレポートの担当教員として、行政への調査方法からレポート完成方法までとても親身にアドバイスをしてくださいました。3年次の後期からは、朝日ちさと先生の研究室に入り、地方・地域の農産品を活用した地域活性化策を卒業研究に取り組みました。卒業研究では、各地の生産者や地方自治体にインタビュー調査等を実施したのですが、松井先生に相談したところ、研究室の枠を超えて有意な回答を引き出す質問の“コツ”も指導していただきました。松井先生は常に学生を支え、応援してくれる心温かい先生です。私が就職活動で悩んでいた際も、客観的で的確な助言をしてくださいました。卒業後は地方公務員に内定しているので、先生から学んだ成果を活かしていきたいと思います。

松井 望 教授
松井 望 教授
森下さん、ご紹介をいただきありがとうございます。森下さんとは、普段は全国各地の美味しいもののお話ばかりしていますね。さて、行政の守備範囲は時代時代で変転してきました。しかし、変わらず行政の基盤となるものはやはり人だと思います。多くの自治体職員のみなさんがそれぞれの持ち場で考え行動してきたことを、学生さんにお伝えすることが、自治体行政を研究分野とする教員の役割だと思っています。森下さんが3年生の時に「公的部門インターンシップ」のレポート作成を通じて、震災からの復興の現場で働く東京都職員の皆さんの取り組みに接することができましたね。これは一教員として嬉しいことでした。レポートづくりの一環で福島県に一緒に訪れる計画がコロナの急速な感染拡大で実現できなかったのは残念でした。必ず近いうちに一緒に行きましょう。
TOP